私は軽自動車とミニバンの2台持ちをしていたんですが、最近車を2台も維持する必要性がないなと思い、車を売ることにしました。元々私は車関係の仕事をしていたこともあり、ディーラーや某大手車買取店で売るよりも複数の車査定店に見積もりを取らせた方が高く売ることは知っていました。
ですが、実際に車を売るというのは人生で何度も経験することではありません。
車を売るというのは機械的に金額が決まっているわけではなく、車によってキズや走行距離など状態が違いますので「この値段が絶対である!」というわけではありません。
車を売るというのは人間同士のいわゆる探り合いの交渉です。買取価格は上限が決まっているとはいえ、下限値からいかに上限値に近づけていくかという話なんです。
ですので、事前に知っておくべきことがあります。
ただ、そんなに面倒くさくありません。自分の日給を考えればちょっとした調べものも安いものです。
自分の主観だけでは説得力は出ませんが、たった2つの客観的な情報を知っておくだけで自分の希望価格に説得力が増すんです。(しかも舐められません)
めちゃくちゃな希望額を提示しても相手にされません。たった5分でわかりますし、それを知っておくだけで損する確率がガクッと減ります。
あなたの愛車を1万円でも高く売るための戦略
1万円でも高く売る戦略をご紹介します。
最初に自分の車はいくらで買えるのかを調べる
- 年式
- 走行距離
- 色
この情報を元に自分の車と同じ状態の車がいくらで買えるのかをまずカーセンサーで調べます。
この情報を知ってから仕入れ値を逆算することで大体いくらの買取価格になるのか推測することができます。
なぜかというと、車の売買ルートというのは以下のような流れになっています。
あなた(売却費:90万)
↓
買取り業者(買取価格:90万)
↓
オートオークション(落札価格:100万)
↓
販売業者(販売価格:120万)
↓
次の購入者(購入金額120万+諸経費)
つまり、中古車を購入する場合、これだけの業者をまたぐことになります。カッコ内はどのように価格が上乗せされるかを例として出してみました。
買取り業者が90万で買い取った車をオートオークションに出品します。ここに輸送費や手数料に加えて買取り業者の利益を合わせて5~10万円ほどが上乗せされます。
オークションで車を購入した販売業者は手数料や輸送費、整備費などがかかり、だいたい15~20%の利益が出るような価格設定をします。
ただ、買取業者や販売業者が自由に価格を決められるというわけではなく、オートオークションでこれからあなたから買い取る車が大体いくらで落札されているかどうかで買取価格が決まるといっても過言ではありません。
その価格を逆算するためにカーセンサーなど中古車販売サイトで「あなたの車がいくらで買えるか」を知る必要があるんです。
まずはあなたの同じ年式・走行距離・色の車がいくらで売られているか調べよう
下取りより買取専門店のほうが高く売れるわけ
ディーラーなど車の買い替えをする場合に「下取り」をする人が多いようです。
しかし、私は下取りで車を売ることはオススメしません。
その理由は、「適正な買取価格で車を売れないので損するから」です。
ディーラーで下取りをする場合には、ディーラーが提示してきた買取価格の言い値で決めてしまいがちです。
ディーラーも何年も色んな人から車を下取りをしているわけですからプロです。色んなテクニックや言葉を巧みに使い、あなたから少しでも安く買い取れるように誘導します。
それはなぜかというと、少しでも買取価格を低くした方がディーラーの利益になるからです。
つまり、ディーラーは買取価格を高くしたくないんです。
ディーラーは業界のプロですから車の相場を知っています。その車をいくらで買い取ればどれだけの利益が出るか計算ができます。
ですが、あなたはいくらで売ればいいのか適正価格なのかわかりません。
適正価格を知っておくためには情報が「販売価格」だけでは不足しています。
車の販売価格ともう一つの武器が「買取相場価格」を知ることなんです。その「査定相場価格」も簡単に知ることが可能です。
ディーラーの下取りは損する確率が高い!買取相場を知ることで損する確率が減ります
自分の車の査定相場価格を知るたった一つの方法
これは楽天オートという楽天市場の買取査定サービスを利用して割り出した私の車の買取相場価格です。
かなり幅がありますが、車の状態によって買取金額は変わるのでしょうがないと思ってください。
ただ、車の外装の傷も少なく内装もきれい、走行距離も短いのであれば上限に近い買取金額が出るはずです。
MAXの金額はよっぽど無理だとしても、自分の車の状態を5段階で分けたときにどこらへんなのかを判断しておけば、だいたいの目標金額を設定することで、実際に提示された買取金額の差を埋めることができますし、低すぎる買取価格を見抜くことができます。
MAX金額=「非常に良い」としたときに自分の車は「普通~良い」と判断したので目標金額を上限20万円と設定し、下限でも15万としました。
楽天オートは買取業者をあなたの住所や車種などから割り出して一括で見積もりを申し込んでくれます。
大手の買取業者から中小の地元で営業をしている買取業者を瞬時に選別してくれるのでいちいち自宅から近い買取業者を探す必要がないので楽チンです。
たった1社だけの見積もりでは適正価格で売却することはできません。やはり、複数の買取業者に見積もりをお願い競わせることで買取価格を上げることもできます。
実際の車査定時に注意するべきこと
申込み直後は査定の電話が複数鳴る=高く売れる可能性が高い
車の一括見積査定は色んな買取業者を見つけて一括で申し込んでくれ買取価格を上げることができるのは大きなメリットなんですが、デメリットもあります。
それは、申し込んだ瞬間に複数の電話がかかってくることです。
これは初めて申し込んだ人には結構驚かれます。
ですが、考えてみてください。
電話がかかってくるだけ、あなたの車を買い取りたい業者がいるということです。
その分、交渉次第では車を高く売れる可能性が高くなるというわけです。
ですが、全部の買取査定業者の見積もりを受ける必要はありません。休みが少ないという人もいると思いますので3,4社くらいで十分です。
見積もりにはエンジンルームや内装、エンジンのかかり具合などを調べる必要があります。
平日に申し込むとサラリーマンの方は仕事終わりに査定に同席しなくてはいけないので大変時間がかかります。
休みの日に一気に3,4社の見積もりをこなしたほうが早いので休みの日の朝に申し込むのをオススメします。
楽天オートに申込むとたくさんの電話がかかってきますが、その分買い取りたい業者が多い=高く売れるというパラメータでもあります
査定に来る営業マンに負けないために知っておくべき言葉
車査定をしに来る営業マンというのは、1日に多い時には4~5回も車の査定をしています。
つまり、車の査定に関してはプロなわけです。
言葉巧みに「あなたに今売った方がお得ですよ」「さぁ今すぐ私に車を売ってください」と思わせるのが大変上手です(笑)
ですが、あなたは「車の販売価格」と「買取相場」を知っておくだけで営業マンに負けることはありません。
肝としては、「最初はちょっと高めの希望価格を提示しておく」ことです。
私の場合はMAX査定額が26万円でしたので、23万円くらいを希望価格と伝えました
車を売った後には買う人がいるわけですから、買取の時点で赤字では誰も買い取てくれません。
ですが、絶妙な妥協ラインに持ち込むことで有利な状態に持ち込むことができます。
主導権はあなたにあるわけです。
初めて車を売るとなると「騙されるんじゃないか」「高く売れないんじゃないか」と心配になります。
強気の高すぎる目標金額では納得できないので車はいつまでも売れませんが、低すぎるてもそこでラインが決まってしまうので上がっていきません。
ですので、最初はちょっと高めでもいいのでそこから少しずつ現実的なラインにもっていったほうがいい交渉ができます。
最初は思っている目標金額よりちょっと高めの希望価格を伝えよう
1社目の査定で「即決価格」は決めてはいけない
1社目の査定というのが一番緊張すると思います。そして、個人的には1社目が一番決まりやすいのではないかと思います。
ですが、最初の1社目では絶対に決めてはいけません。
「ここで決めてくれれば即決価格で○万円です」
「絶対他社はこれ以上の買取価格は出ません」
「これがうちの限界です」
こういった言葉で追い詰めてきますが、複数の買取業者から連絡があった場合には1社目の同等金額かそれ以上の金額は出る確率は高いと思います。
なぜなら、少しでも買い取りたいと考えているから連絡してきたわけです。
そんなにめちゃくちゃ私にお得な査定金額を出すわけがありません。
結構粘って売ってもらおうとあの手この手で価格を徐々に釣り上げてきます。
営業マンがまず査定のために車両の内装外装をチェックした後に本部に連絡します。本部は営業マンの情報をもとに査定金額を出してきます。
そのやり取りの中身は分かりませんが、査定金額というのはオートオークションでの落札平均価格を上限に割り出されます。
あなたはこの情報を押さえておくべきです。
オークションの平均価格以上はなかなか良い材料がないと出ないと思っていいです。
なぜならそれ以上価格を上げるとオークションで買い手がつかずに在庫を抱えることになるのでそのリスクを取りたくありません。
そのため、その平均落札価格の下の方から話を進めていくと徐々に上がっていき、本部と電話して査定額を最終的に出していきます。
営業マンが「即決価格です」と言ってきたときには、査定金額は上限に近いんだなと思っていいと思います。
ただ、その金額はその買取業者の上限であって他社では同額またはそれ以上でるので安心して断ってしまって大丈夫です。
ここまで来てくれて時間を割いてくれてかわいそうとか思う必要はありません。
恨まれるとか思う必要はなく、安心して「無理です」と言ってください。
ちなみに最初の1社目の営業マンはオークションの買取価格は5万だから、だせて7万とか言ってきました。これは下限の価格で最終的には15万提示でしたが、当然お帰りいただきました
2社目から上手に交渉するコツ
さて、2社目からが本番です。1社目は相場を知るための予行練習です。
当然、2社目には1社目の査定金額を伝えることになりますが、まずは車を見てもらい査定金額を聞きましょう。
そして、自分の希望金額はこれくらいで1社目の査定金額を伝えます。(その時にほんの少し盛って伝えるのもアリです)
まぁその時には希望金額は20万で1社目は15万だったことも伝えました。
余談ですが、私の希望金額が買取金額の相場より低い場合は即決で決まっているはずです。なぜなら、それで私が満足するなら値上げの交渉をする必要がないからです
2社目の方は誠実そうな方でオークションの仕組みや売った車が店頭に並ぶまでどのくらい手数料や経費が掛かるのかを説明してくれました。
そこで、オートオークションでの平均価格は20万と聞き出しました。まぁそれも多少低めに言われたかもしれません。(私にはその金額を確認する方法がなかったので)
それから経費や利益を計算して4~5万乗せることを考えると15万という金額は妥当で結構1社目も頑張っているという話でした。
何度も本部に掛け合ってくれましたが、だせて15.5万(これも即決価格)でした。
半分私も決めてしまいそうでしたが、あとにすぐ3社目が来る話になっていたのでグッとこらえて2社目を断りました。
(2社目の営業マンに3社目が15.5万をだせないときには連絡してくれれば15万で買い取りますよと言われています。いわゆる保険みたいなものです)
最低3社は査定しておくべきシンプルな理由
さて、最後の3社目です。
私の中では希望金額の20万はもう無理だなと思っていました。
まず、私が希望している金額でOKが出なかったこと。
1社目から2社目の交渉で5千円しか上乗せされなかったこと。
ただ、私にはまだ少しなら上乗せできると思っていました。
それはなぜかというと、2社目はオークションのみで店頭販売をしていないタイプの買取業者でしたが、3社目はオークションも店頭販売もしているというタイプの買取業者だったからです。
つまり、自社で販売もできるので多少買取価格に融通が利くはずだと踏んだのです。
なぜかというと、2社目はどうしてもオークションの価格でしか買取価格を判別できませんが、3社目は独自の販売ルートを持っているのでオークション以外に価格を設定できる余裕があります。
つまり、その分利益のマージンが厚いので1,2社目より高く売れるだろうと判断しました。
ただ暑い中、朝から買取査定の立ち合いをしていたのでスピーディーに買取を進めたかったわけです。
そこで、3社目の営業マンには現場で車の状態を確認してもらった後には2社目までの価格を伝え、「希望金額は20万だけど、2社目は15.5万なので16万以上なら即決しますよ」と伝えました。
まぁそれから何度か本部の方と掛け合ってもらい「16.5万円でお願いします!」と鶴の一声をいただいたので即決しました。
朝の10時から決まったのは15時と昼飯も食べずに対応しましたが、ディーラーの下取りでは出ない価格だったと信じています(笑)
ちなみに売るタイミングを必ず聞かれますが、今日売りますと伝えると営業マンはがぜんやる気になってくれます。すぐ売ってくれる方がいいお客さんですからね
【さいごに】車は売りたいと思った時が一番高く売れる
3社目の営業マンに「やっぱり2月3月が高く売れるんですか?」と聞きましたが、答えは
「2月、3月は売れる価格が一定で上下しにくいだけで、売るならすぐが一番高く売れる」
という話でした。
契約書を書く前だったので気持ちが変わらないようにそう言ったのかもしれませんが、車の価値というのは新車から一度乗るだけで査定価格はかなり下がります。
しかも、車の価格は毎日古くなっていくわけですから、日に日に下がっているわけです。
今売らずに来年の3月に売るよりも今すぐ売ってしまったほう車の価値が高いので査定金額も高くなります。
ですので、車を売りたい人はお早めに売却計画を立てられてほうがいいでしょう。